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齊藤貴子『肖像画で読み解くイギリス史』

書名に偽りあり、羊頭狗肉なタイトルを付けた作品が多い
PHP新書にまた騙された小生が悪かったのかな(+_+)
齊藤貴子『肖像画で読み解くイギリス史』(PHP新書,2014)。

イギリス史を知りたくて、しかも同時に借りたのが、
君塚直隆『肖像画で読み解くイギリス王室の物語』(光文社新書,2010)だったため、
余計に感じたんだろうけど、この内容で書名が『・・・イギリス史』は騙り(`^´)
本書215頁に出てくるフレーズ「イギリス肖像画の歴史と伝統」の方が書名としてまだ適切。
図書館もイギリスの歴史の棚に分類してたけど、肖像画の話なんだから美術の棚にすべき。

内容は、へぇ~という感じで、読んだ時は勉強になったなぁと思ったんだけど、
今ネットで調べたら、「京極彩子の部屋」に超辛口なレビューがあった(^_^;)

http://tenjononiji.blog.fc2.com/blog-entry-133.html

小生はアートの素人ですが、このレビューは非常に説得力がありました。
ということは、本書に小生は2重に騙されていたわけね(;_;)

君塚のは読んでフツーに勉強になりましたm(__)m
ただ書名が「王室」のため仕方ないけど、イギリスを率いた大政治家、
例えばディズレーリやグラッドストンのことなど1行も触れられてないし、
サッチャーも巻末年表に出てくるだけなのが、望蜀の不満かな(^_^;)
尾鍋輝彦『最高の議会人グラッドストン』(清水新書,1984)に出ている
肖像画のディズレーリ夫人(同書57頁)は12歳年上だけど結構きれいだし、
彩色石版画による治世初期のヴィクトリア(同書66頁)なんか超かわいい(^_^;)
とまれ、君塚のは手元に置いときたくて、ついに本屋で買った(^^)
読了してから半年ブックオフで探したけど、見つからないんで新品で購入(同じ版元の
中野京子の『名画で読み解く・・・』は3冊ともブックオフで美品をゲットできた)。
借りて読んで良けりゃ買うんで図書館を糾弾する作家Hも買いたくなるような本を書けよ(^_^;)

PHP新書は、書名と内容が一致しない、てゆーか羊頭狗肉な書名のが結構ある。
今すぐ思い付くのは、2008年に出た関榮次『チャーチルが愛した日本』だな。
同書の内容に即した書名なら「チャーチルの母が愛した日本」の方が適切で、
同書をいくら読んでも、チャーチル自身は外交儀礼や政治的発言の中で
日本に好意的な言葉を残しただけで、「愛した」なんてキモイ妄想(-_-)
同書が頁を割いて紹介するチャーチルの母の日本紀行は興味深かったけど(^_^;)

PHPつながりで、書いておくと、
海音寺潮五郎『日本歴史を散歩する』(PHP文庫,1988)に収録されている
「鉄砲談義」と題した歴史随筆の最初の方に次の一文がある(同書116頁)。

  広漠の海上で、二つの海賊団隊は終日はげしく戦ったが、王直の方利あらず、
  わずかに王直の乗った船一隻が地路をひらいて脱出することができた。

この王直の船が「種子ヶ島」に漂着して「鉄砲伝来」となるのだが、
「海上で・・・戦ったが・・・船一隻が地路をひらいて脱出・・・」とは???
船が地上を進むのか??? まさか王直の船は水陸両用なのか???

同書は『随筆 日本歴史を散歩する』(鱒書房,1956)を文庫化したものだが、
鱒書房の単行本は持っていない。でも、この「鉄砲談義」と全く同じ文章が、
「鉄砲伝来異聞」と題して『日本の名匠』(中公文庫,1978→改版2005)に収録されてる
(厳密には、PHP文庫のは、節見出しが付き、また1行だけ文章の順番が入れ替わってる)。
そこで、『日本の名匠』の方から該当する文を引く(同書226頁=改版253頁)。

  広漠の海上で、二つの海賊団隊は終日はげしく戦ったが、王直の方利あらず、
  わずかに王直の乗った船一隻が血路をひらいて脱出することができた。

PHPの編集者(下請け編集プロダクションの人間?)は、
「血路」を「チロ」と間違って読んだ上に、「地路」と誤変換して、
船が地を行くおかしさに気付かないなんて、2重に馬鹿でしょ(^_^;)

なお、1行だけ文章の順番が入れ替わっていると指摘したけど、
そのPHP文庫123頁と中公文庫232頁=改版260頁とを比べると、
PHP文庫のは文章の流れが不自然だから、これもミスだな(`^´)

福浦和也がヒットを打った後の美しすぎるフォロースルーこそアート(^^)

[追記151227]

その後、海音寺潮五郎『随筆 日本歴史を散歩する』(鱒書房,1956)を記事にした(^^)

http://yomunjanakatsuta-orz.blog.so-net.ne.jp/2015-12-27

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